01 / システム信頼性
可用性が重要な理由
可用性は次の項目に直接影響します。
- 顧客体験
- サービス継続性
- 運用パフォーマンス
- 収益の保護
- 規制への準拠
- 事業リスク
組織は、最低限必要な可用性を定めたサービスレベル契約(SLA)によって、サービス目標を設定することがよくあります。
例:
- 可用性 99.0%
- 可用性 99.9%
- 可用性 99.99%
- 可用性 99.999%
可用性をわずかに向上させるだけでも、運用停止時間を大幅に削減できます。
02 / システム信頼性
信頼性と可用性の違い
信頼性の高いシステムでも、修復に長時間を要すれば可用性が低くなることがあります。
反対に、信頼性が中程度のシステムでも、故障を迅速に修復できれば高い可用性を実現できます。
したがって、可用性は次の両方に左右されます。
可用性は一般に次の式で表されます。
ここで:
- A = 可用性
- MTTF = 平均故障時間
- MTTR = 平均修復時間
この関係は、故障の発生傾向と修復効率の両方が、サービス継続性全体に寄与することを示しています。
03 / システム信頼性
FUSIONにおける可用性
FUSIONは次の要素を統合します。
この統合的な視点により、ソフトウェアとハードウェア双方の情報を用いたシステムレベルの可用性推定が可能になります。
主にハードウェアに着目する従来の手法とは異なり、FUSIONはソフトウェアの運用信頼性も可用性計算に組み込みます。
04 / システム信頼性
統合可用性モデリング
FUSIONフレームワークは、統合されたソフトウェアとハードウェアの信頼性情報を用いて運用可用性を推定します。
ソフトウェア側の要因:
- 運用時の故障
- 復旧メカニズム
- 再起動時の動作
- 欠陥修正作業
ハードウェア側の要因:
- コンポーネントの故障
- 保守作業
- 交換作業
- 冗長化メカニズム
これらの要因が組み合わさって、システム全体の可用性が決まります。
05 / システム信頼性
インテリジェントな可用性分析
FUSIONはインテリジェント・グラフィカル・エディター(iGRED)を通じて可用性を分析します。
エンジニアは信頼性ブロック図(RBD)を用いてソフトウェア集約型システムをモデル化し、代替アーキテクチャの可用性指標を自動計算できます。
対応する構成:
- 単一ノードシステム
- 直列システム
- 並列システム
- アクティブ・アクティブ冗長構成
- アクティブ・スタンバイ冗長構成
- k-out-of-nアーキテクチャ

FUSIONはソフトウェアとハードウェアを統合したシステムについて、ソフトウェア、ハードウェア、システムレベルの可用性指標を計算します。この例ではシステム可用性99.897%を達成しています。
ソフトウェアとハードウェアの信頼性情報を統合して可用性を計算することで、エンジニアは運用性能を早期に把握できます。
06 / システム信頼性
可用性指標
FUSIONは次の指標の推定に対応します。
- 可用性
- 停止時間
- 故障率
- MTTF
- MTTR
- MTBF
これらの指標は、個々のコンポーネントとシステム全体の両方について自動計算されます。
アーキテクチャや信頼性パラメーターの変更に応じて、可用性の計算結果はリアルタイムで更新されます。
07 / システム信頼性
可用性目標とサービスレベル
可用性の目標は、サービスレベル目標として示されることがよくあります。
| 可用性 | 年間のおおよその停止時間 |
|---|---|
| 99.0% | 3.65日 |
| 99.9% | 8.76時間 |
| 99.99% | 52.6分 |
| 99.999% | 5.26分 |
| 99.9999% | 31.5秒 |
可用性モデリングにより、提案するアーキテクチャがこれらの目標を現実的に達成できるかを判断できます。
08 / システム信頼性
冗長化による可用性の向上
可用性を向上させる最も効果的な方法の一つが冗長化です。
一般的な冗長化戦略:
- 並列アーキテクチャ
- アクティブ・アクティブ構成
- アクティブ・スタンバイ構成
- k-out-of-nシステム
冗長化は単一障害点をなくし、故障時に代替の運用経路を提供することで、サービス中断を抑えます。

可用性モデリングを用いると、導入前に代替アーキテクチャを評価できます。この例では、ホットスタンバイ構成によってシステム可用性が99.897%から99.999%に向上します。数値上の差は小さく見えても、ミッションクリティカルなシステムでは年間停止時間を大幅に削減できます。
図1と図2の例は、アーキテクチャの選択が運用可用性に直接影響することを示しています。
| アーキテクチャ | 可用性 |
|---|---|
| 単一ユニットシステム | 99.897% |
| ホットスタンバイシステム | 99.999% |
両アーキテクチャは類似したソフトウェアおよびハードウェアコンポーネントを使用しますが、冗長化を追加することでサービス中断が大幅に減少し、運用レジリエンスが向上します。
可用性モデリングにより、エンジニアはシステム導入前にこうした改善効果を定量化できます。
09 / システム信頼性
信頼性のボトルネックと可用性
少数の重要コンポーネントが、可用性を制約していることがよくあります。
FUSIONは次の項目を自動的に特定します。
- 可用性のボトルネック
- 信頼性のボトルネック
- 重要なソフトウェアコンポーネント
- 重要なハードウェアコンポーネント
この機能により、組織は最も大きな効果が見込める領域に改善活動を集中できます。
ボトルネックを早期に特定することで、エンジニアはより効率よく可用性を高め、運用リスクを低減できます。
10 / システム信頼性
現代のソフトウェア集約型システムを支える
可用性モデリングは、特に次の分野で有用です。
- Open RANネットワーク
- クラウドネイティブ・プラットフォーム
- 航空宇宙システム
- 医療システム
- 産業オートメーションシステム
- 半導体製造システム
- 自律型輸送システム
これらの環境では、高いサービス継続性と運用レジリエンスが求められます。
11 / システム信頼性
指標から運用上の意思決定へ
可用性モデリングは、次の意思決定を支援します。
- アーキテクチャの選定
- 冗長化への投資
- 保守計画
- リソース配分
- サービスレベルの確約
その結果、組織が信頼性とサービス継続性を高めるための、先を見越した運用リスク管理が可能になります。
12 / システム信頼性
従来の可用性分析を超えて
従来の可用性分析は、ハードウェアの動作だけに焦点を当てることが少なくありません。
FUSIONは次の要素を統合し、この視点を広げます。
この統合的なアプローチは、現代のソフトウェア集約型システムをより現実的に表現します。
13 / システム信頼性
今後に向けて
可用性モデリングは、統合された信頼性情報を運用性能の予測へと変換します。
次の手法ページでは、複雑なソフトウェア・ハードウェアシステムをモデル化し、複数の構成にわたる信頼性と可用性を評価するためのアーキテクチャ基盤となる信頼性ブロック図(RBD)を紹介します。
これらの機能が一体となり、統合信頼性工学のためのFUSION™フレームワークの基盤を形成します。